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堆積ダイナミクス研究コンソーシアム

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Mission

堆積ダイナミクス研究コンソーシアムの目的は,堆積システムの挙動を予測し,砕屑性貯留岩の構造を高い精度でモデリングする手法をメンバー企業へ提供することにある.この目的を達成するため,地形動力学に根差した堆積学の理論的研究や実験的研究に加えて,徹底的な野外調査やボーリングコアの解析を行う.また,巡検や講義を通じて,堆積学の最先端の知識をメンバー企業へ提供する.

Goals

Approach

本コンソーシアムのプロジェクトチームは,理論・実験・野外調査の3手法を軸として,定量的かつ予測可能な堆積システムのモデリングを行う.堆積システムのモデリングを行う際には,流体力学と地形動力学(morphodynamics)に基づいて,堆積プロセスの微視的・巨視的挙動の両面を考慮する.また,相似則に基づいた水槽実験を実施し,モデルの検証を行う.さらに,石油・天然ガス砕屑性貯留岩の類似物となりうる地層に対して徹底的な地質調査を行い,地震波探査断面やボーリングコアデータも扱いながら,大量の地質データから統計的手法を駆使して有益な情報の抽出を目指す.

実際の研究では上記3つの手法を統合して用いるが,なかでも,堆積学の理論面を重視するのが本コンソーシアムの特色といえる.堆積システムのモデリングに際しては,既存のプログラムを活用するだけでなく,独自のツールを開発し,メンバー企業をはじめとする研究コミュニティーへ広く提供する.得られた情報は積極的にデータベース化し,モデリングへ結びつけられるよう蓄積していく.

Challenges

砕屑性堆積システムの挙動は極めて複雑であり,定量的かつ決定論的予測はしばしば困難である.従来の堆積学分野の研究は経験的なアプローチに偏りがちであり,予測というよりは,定性的な解釈に留まることが多かった.また,物理学的バックグラウンドが十分でない概念的/思弁的なモデルが提唱されることもしばしばであった.

我々はこの現状を変え,複雑なシステムに潜む単純さを発見し,目的に応じて適度な単純化を施した予測モデルを構築することを目指している.ただし,単なる理論的検討に留まるだけではなく,実際の砕屑性貯留岩の性状予測にも将来的には応用可能な,実用的モデルが重要であることを認識している.そのため,経験的アプローチも活用しつつ,現実のデータの再現性と予測可能性を重視した新しい堆積学研究に挑戦する.

Current Study Areas

本コンソーシアムの研究対象は特定の環境の堆積システムに限られない.ただし,今後数年間は深層学習ニューラルネットワークによる堆積システムの逆解析に重点を置いて研究活動を行い,地層から過去のプロセスを復元する手法の確立を目指す.