堆積岩の粒子配列研究法

堆積岩の粒子配列解析入門

堆積物粒子の長軸の配列パターンを粒子配列(grain fabric or grain shape fabric)と呼ぶ.粒子配列の形成は堆積物の運搬作用に強く影響されるため,結果として,堆積岩粒子配列にはさまざまな地球科学的情報が含まれるようになる.例えば,粒子配列解析からは,堆積物を運搬した流れの古流向や堆積作用の性質,そして堆積岩物性の異方性などを読み取ることができる.

配布資料

堆積岩の粒子配列解析入門

粒子配列の形成メカニズム

粒子配列(オリエンテーション・インブリケーション)の形成メカニズムは低濃度流れと高濃度流れで異なる.低濃度流れでは,流入・流出粒子の粒子長軸の配向性によって粒子配列が形成されるため,粒子配列のフラックスを考慮することで粒子配列形成メカニズムを理論的に扱うことができる.一方,高濃度流れでは粒子衝突・粒子回転作用により粒子配列が形成される.高濃度流れは急激に停止するため,粒子配列形成メカニズムをモデル化するためには,移動中の粒子の配向方向を考慮する必要がある.

配布資料

粒子配列の形成メカニズム

粒子配列測定法

堆積岩粒子の測定法には,粒子個別測定とバルク測定の2種類がある.粒子個別測定(Particulate method)とは,堆積物粒子それぞれを何らかの方法で認識し,測定を行う手法の総称であり,代表的手法としては画像法がある.粒子個別測定は粒子配列の詳細な特性を明らかにできるが,測定には長い時間と手間がかかる.一方,バルク測定(Bulk method)は,粒子配列に強く影響される何らかの堆積岩物性を測定し,そこから粒子配列を逆に推定する手法である.代表例としては,帯磁率(初期磁化率)異方性(Anisotropy of Megnetic Susceptibility)法が挙げられる.バルク測定は短時間に大量のサンプルを測定することができるが,粒子配列の詳細な特性は隠されてしまう.

配布資料

粒子配列の測定

2次元方向データ解析概論

取得された粒子の方向データを処理し,研究に活用するためには,2次元方向データの統計的な取り扱い方を知る必要がある.ここでは,角度の基礎統計学として,

  1. データの表現方法:どうやって角度データをグラフに表せば良いのか?
  2. 記述統計:どうやって角度データを統計値(平均・分散)に要約するか
  3. 有意性の統計的検定:測定値は有意な優先配向方向を持つか?それともランダムか?
  4. 2標本間検定:2つのデータセットに相違があるか?
  5. 区間推定:母集団の平均方向はどんな範囲にあるか?

を学習する.

配布資料

2次元方向データ解析概論

参考:堆積学データ解析入門

  • 堆積学データの数値化
    • 粒径,粒形,ベッドフォーム,層厚,堆積相
    • 形を数値化する:標識点解析,楕円フーリエ解析
  • データの表示
    • 円グラフ,棒グラフ,箱ひげ図,ヒストグラム,散布図
  • 記述統計
    • 平均,分散,標準偏差,変異係数,歪度,尖度,加重平均(加重分散)
  • 統計的検定と推定
    • 母集団と標本
    • 点推定
    • 統計的検定とは何か
      • 帰無仮説と対立仮説
      • 第一種過誤と第二種過誤
      • 有意水準と検定力
    • 平均値の検定
    • χ二乗検定
    • ブートストラップ法
    • 区間推定
  • 相関と回帰
  • 堆積学でよく使われるデータ解析法
    • 対数比(log-ratio)解析
    • 多変量解析
      • 重回帰分析
      • 主成分分析
      • クラスター解析
  • マルコフ鎖解析
    • マルコフ鎖解析のχ二乗検定
    • Embedded Markov chain analysis
  • スペクトル解析
    • FFT
    • MEM
    • Wavelet
  • 地球統計学
    • Krigingによる空間分布推定

配布資料

堆積学データ解析入門


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2014-06-20 (金) 11:02:23 (1519d)